FC2ブログ

永福の日々是好日

米国から南仏コートダジュール、そして日本定住。日々思ったこと感じたことをありのままに。

初神戸スパコン京&抗体薬製造GMP施設見学

図らずもせっかく日本に長期滞在することになったからには、日本ライフを満喫せねば!٩( 'ω' )وということで、さて何をしようかと思っていたところに、所属している翻訳者協会Japan Association of Translatorsからメールがひらりと舞い込んだ。

協会を通じて実施されるイベントで、抗体薬製造GMP施設と、さらにスーパーコンピューターの見学が出来、そして午前中には半日医薬翻訳者のための統計セミナーも行われるらしい。なんという素晴らしき充実ぶり♡(o‘∀‘o)*:◦♪しかも場所は神戸ときた。これまで日本では都が最西南訪問記録で、関西圏は父親が幼少期大阪で育ったにもかかわらず、これまで一切足を踏み入れたことがなかった。ちょうど気分転換に小旅行も良いかなと考えていたし、良いかもしれない・・・。

過去にGMPの審査報告書の訳を何度かしたことがあったのだが、実際の施設を見たことがなく、ネット上の情報や、実際に立ち会った人や製造工程にかかわっている人たちの話を聞いても、情報は断片的でなかなか想像がつかぬまま訳をすることが多かった。審査報告書には製造工程、施設、製造に使用する機材や素材など詳細も記載されており、実際の器具や施設を見ないで訳すのは、なかなか難しい。

薬の製造工程というのは、当然各社極秘情報になるわけで、実際に見ることが出来る機会というのは非常に少なく、今回GMP施設を実際にこの目で見ることが出来るというのは、またとない機会だった。うーんやっぱり良いかも・・・。

そして午前中の医薬翻訳者のための統計セミナーも、実は統計翻訳のための本もあるし、お高い講座はあるけれど、今回の講座はなんと1000円という破格のお値段オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!行くしかない!

一応月島さんにも相談すると、「いいじゃん行ってきなよ、そんなの相談しなくていいよ。自分は医薬は全く興味ないけど、スパコンは見てみたい」とのこと。「わたしは薬の施設すごい興味あるけど、コンピューターは全然興味ないんだよね~」と言った永福に、月島氏が一言「・・・(;゚;ж;゚; )ブッ・・・(きょう)じゃなくて(けい)ね」。

・・・ということで、神戸行きを決めた。

editedP1250370.jpg
調度出発数日前にかなりの積雪に見舞われた西日本。関東ではちらつく程度だったが、新幹線が西に行くにつれ窓の外は雪景色に。

editedP1250374.jpg
フランスのTGVやSNCFとは違って日本の電車内のなんと清潔なことよ・・・。落書きもないし、シートも汚れてないし、無駄に揺れないし。ついでにトイレも便器普通にあるし(フランスは外のトイレはほとんど便器がない)、清潔だし、やっぱり日本は良い国よのう。

editedP1250410.jpg
ついに到着。神戸デビュー!永福が中学の時は都はとても遠いイメージがあったけど、今や京都よりさらに先の神戸まで、のぞみでたったの3時間かからずに行けてしまうとはすごい時代になりました。

editedP1250412.jpg

editedP1250414.jpg

editedP1250439.jpg
新幹線が到着する新神戸駅から、山手線で三宮駅まで行き、そこでJRに乗り換えて今回宿泊するホテルのある元町駅へ移動する。最近関東ではあまり見かけないちょっぴりレトロな電車が走っていたり、途中のエスカレーターで乗客が全員右側に立っているのを見て、おぉーー西に来た~という実感が湧いた。ちなみにあと、駅のお土産ショップにあったたこ焼きが具に入ったおむすびを見た時も西にきたことを実感したのだった。

editedP1250463.jpg
元町駅前のノスタルジックな雰囲気漂うセンタープラザ。

editedP1250465.jpg
平日とはいえ、都内や神奈川と比べると人が少ない気がする。というか、都内が人口過多でいつも殺伐としているので、これが普通なんだな。

editedP1250466.jpg

editedP1250470.jpg

editedP1250471.jpg

editedP1250473.jpg

editedP1250475.jpg
元町駅前はごくごく普通の町という印象だが、駅前にある交番の建物はレトロで異国情緒があり、少しだけ神戸らしさを感じてうれしくなった。

editedP1250477.jpg

午前中の統計セミナーは、ホテルから徒歩15分ほどのところにある神戸国際会館で10AM~1200PMの2時間行われた。講師は
元々映画業界の営業をされていたところから、医薬翻訳者へと転身された小泉志保さん。

セミナー構成は(『医薬翻訳者のための統計英語表現スライドby小泉志保』より引用):

1. 統計の基礎知識
2. 統計用語クイズ
3. センテンスの翻訳

2時間というかなり限られた時間の中で、ベテラン医薬翻訳者として活躍され、この業界の重鎮を担う方々も多く出席されていたため、実際の練習問題を解く時間では、一通りではない訳出例とその裏付けとなる根拠を聞くことが出来、すべてが理解できるものではなかったけれど、非常に有意義なものだった。

ただ、私の場合は統計自体の知識が不足しているために、字面で訳すことはできても、本当に正確な言葉が選べていない場合もあるのではないかと思い、統計学自体を基礎から学ぶことが結局のところ必要なのではないか・・・と考えていた。

セミナー後に知り合いになった方にその点を踏まえてお話を聞くと、その方も十年以上フリーランス医薬翻訳経験がおありになり、クラス中でも積極的に回答されていてもう十分に知識のある方なのだが、最近統計を基礎から学ぶ必要性を感じたということだった。そして、まったく知識のない人でも学べるという前提の、統計検定というものを見つけ、それに向けて勉強をされているらしい。その方がおっしゃっていたのは、急がば回れで、英語表現を学ぶ以前に、やはり統計自体の基礎を学ぶのが一番早いということだった。

統計部分の訳はずっと考えあぐねていたため、長年経験のある既に目指す道の先を行かれる方から、そのような実体験に則した助言をいただけたのはとても貴重な機会で、目指す方向性が間違っていないと後押ししていただいた気持ちだった。

また、ランチでも既に医薬翻訳のフリーランスで活躍される方々と直接お話しをする機会に恵まれ、フリーランス医薬翻訳者として駆け出しの私にとっては生の声が聞けたのは何よりも有り難く、良い経験になった。中でも、翻訳検定日英ともに1級で様々なインタビューも受けていらっしゃる経歴の方がおり、フリーで仕事を受けるにあたり、自分にとっても顧客にとっても客観的な指標になる検定や、翻訳講座等も今後は目指していきたいという新たな目標もできたのだった。

editedP1250860.jpg
午後からのバイオ医薬品GMP施設は、三宮駅からポートライナーに乗った先にある、神戸大学先端融合研究環強盗研究拠点にあった。ポートライナーの京コンピューター前駅で降りると、周りには神戸大学の研究施設等の近代的な建物が何もないところにどかどか建っていた。

editedP1250862.jpg
このお話を最初聞いた時に、GMP施設が見学出来るなんてどうしてだろうかと思っていたが、研究施設長の方のお話しでその理由が分かった。

editedP1250863.jpg
GMP施設内は原則撮影禁止ですが、このレクチャー室では撮影自由との事前許可をいただいております。

日本では新薬開発は現在頭打ちで、その多くのバイオ製剤を輸入に頼っており、年々輸入金額は大幅に拡大しているという現状がある。また、バイオ医薬品製造工程で義務付けられている、ウイルス安全性管理技術にいたっては、現在その技術を保持するのはアメリカとイギリスのみなのである。

そんな中、政府の方針で、今後のバイオ医薬品製造技術開発と教育施設を目的として作られたのが当施設だそうである。なるほどそれで見学が出来るのかと納得した次第であった。大変丁寧な製造工程の説明を受けながら、実際に施設や使用機器を見せていただき、来たかいがあったというものだ。(※GMP施設の詳細については機密事項なので割愛)

editedP1250868.jpg
GMP施設見学を終え、次なる目的地である京コンピューター見学へお隣の理化学研究所計算科学研究機構へ移動する。

editedP1250872.jpg

editedP1250876.jpg

editedP1250877.jpg

editedP1250879.jpg
入口から入って外を見たところ。

editedP1250880.jpg

editedP1250881.jpg
見学の集合時間までまだ少し時間があったので、みなさんカフェテリアでお茶でも飲みましょうかということになって、行ってみた。カフェテリア入口手前に食券マシンがあるも、飲み物はコーヒーのみ・・・コーヒーが飲めない組はさんざん悩んだ挙句、スープ80円にすることにして、中に入った。

editedP1250882.jpg
しかしカフェテリアの従業員さん含め人っ子一人見当たらず、しばらく食券を手にしたままウロウロとする一行。しばらくすると、従業員の方がやってきて、スープはないことが判明。しかしカフェテリア奥に少し飲み物などが置いてある売店があり、そちらに代えてもらうことになった。こんなにどっと普段人が来ない時間帯に押し寄せ、お世話お掛けしました。

editedP1250883.jpg
カフェで暖をとらせていただいた後、いよいよ京コンピューター見学が始まった。

editedP1250885.jpg

editedP1250886.jpg

editedP1250887.jpg
毛筆の京という字がカッコイイ♡

editedP1250888.jpg

editedP1250889.jpg

editedP1250893.jpg
ここに来る前は知らなかったのだが、京コンピューターはその4割ほどを一般に貸し出しており、実際に様々な分野で使用されているそうだ。例えば、政府が地震災害時の避難シュミレーションを計算することに使用したり、自動車産業が車のデザインに事故時に人の体が衝突する場所を計算したり。そして、これまでは研究者の勘を主に頼りにしていた、新薬開発時の対象タンパク質と新薬の何通りもある組み合わせを、この京を使って計算することで、従来のコンピューターでは30年かかっていた作業をたったの3時間で計算することが可能になったそうだ。

editedP1250894.jpg
さて一連の説明も終わり、いよいよ京コンピューターを見に行くかと一同立ち上がりかけた時、目の前のスクリーンが上がり、後ろのカーテンが両側に開いたそこに現れたのは・・・京コンピューター!

editedP1250897.jpg
みなこのシャレた演出におお~!と歓声が。入ってきたときからお話を聞いていたその場所こそ、京コンピューターのすぐ目の前だったのね、っていう。

editedP1250898.jpg
各々にガラスに近づき、すぐそこに並ぶ京を見る。

editedP1250899.jpg
二重の厚いガラスで囲われた室内は、京の動作音で地下鉄のホームほどの音だそうだ。

editedP1250906.jpg
ちなみにこの京のある部屋の真下には、スパコンの発熱を下げるためのクーリングの部屋があり、お水と空調で熱を冷まし、発生した熱は蒸気として外部に放出しているらしい。

editedP1250909.jpg
後日の月島談によると、中国のスパコンは世界一位なものの、日本のスパコンのように一般に公開され実用されてはおらず、ひたすらその処理速度の速さのみらしい。一般の研究開発等に生かされてのスパコンという意味では、日本の方が生かされているわけだ。

editedP1250902.jpg
スパコン技術は富士通の独占とのことで、2020年完成予定のポスト京も富士通が肺発を行っているとのことだった。現在のスパコンはもう6年ほど経っているので、コンピューターの寿命的にももうそろそろ・・・というところらしい。

editedP1250904.jpg

editedP1250918.jpg
帰りのポートライナー車内からは神戸の美しい夕日が見えた。

editedP1250922.jpg
充実した一日の締めくくりは、素敵なレストランでの楽しい懇談会だった。医薬翻訳界で現在第一線で活躍する著名医薬翻訳者の教え子たちを育て、医薬翻訳業界の重鎮を担いご自身も第一線で大活躍されている方や、若くして起業を目指す志高い翻訳者の方、医薬翻訳だけではなく通訳・他分野でも経験長く活躍されているベテラン翻訳者の方などの貴重すぎるお話を伺いつつ、楽しく有意義な時間を過ごさせていただいた。

editedP1250923.jpg
今回行ったお店は、村上春樹氏が行きつけにしているお店でもあり、また、毎年ノーベル文学賞が発表される日には、ファンや報道関係者がこの店に集まるのが恒例になっているという。こちらのお店で出されるピザには、開店当時からの番号がふられており、何番目のピザを食しているのか、こんなカードが付いてきて面白い。懇談会終盤では、お隣の席に佐藤B作夫婦が入ってきたという、ナイナイのお見合い大作戦好きな永福にとっては、思い出たっぷりな神戸デビューとなったのだった。

editedP1250932.jpg
次の日は早朝ホテルを出発して東京へ。晴れ女永福はたいてい旅行最終日、電車や飛行機で出発と同時に雨が降り出すのだが、今回もご期待にもれず朝から雨。

editedP1250947.jpg
来年6月のI-JETは大阪で行われると聞いて俄然テンションがあがった永福。来年は月島氏も連れて、大阪デビューが楽しみだ。

関連記事

4 Comments

ローズ三浦  

その節はありがとうございました☆

お久しぶりです。
別のことで調べていたら、偶然流れつきました。
フランスと写真の位置から、だいたいどなたかわかりましたよ^^(笑)
2月のJATのイベントは楽しかったですね。早3ヶ月くらい経ちましたが、お元気でしょうか?
私のブログとはまた別の視点で書かれており、写真がいっぱいで楽しいですね☆

IJET大阪、ぜひ遊びにきてください☆
またお会いできることを楽しみにしております。

2017/05/10 (Wed) 23:16 | EDIT | REPLY |   

永福  

Re: その節はありがとうございました☆

> お久しぶりです。
> 別のことで調べていたら、偶然流れつきました。
> フランスと写真の位置から、だいたいどなたかわかりましたよ^^(笑)
> 2月のJATのイベントは楽しかったですね。早3ヶ月くらい経ちましたが、お元気でしょうか?
> 私のブログとはまた別の視点で書かれており、写真がいっぱいで楽しいですね☆
>
> IJET大阪、ぜひ遊びにきてください☆
> またお会いできることを楽しみにしております。

ローズさん!
ここを見つけてくださるとは驚きました!お久しぶりです。
ブログ拝読させていただきましたが、公私ともに充実されているようで
(cat&chocolateゲーム面白いですね)
翻訳関連の記事は特に内容が濃くて、色々勉強になります。
IJET大阪での再会楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします!






2017/05/11 (Thu) 15:40 | EDIT | REPLY |   

NT Chougenbou  

Thanks from an Old Translator

Thank you for this lively report on the impressive event in Kobe.
Engaged in medical translation as a profession, we are after the same rainbow’s end. Best regards.

2017/05/17 (Wed) 11:31 | EDIT | REPLY |   

永福  

Re: Thanks from an Old Translator

Thank you very much for your kind comments Mr. NT Chougenbou!
I'm still a novice translator but my heart is definitely for the fondest goal that all medical translators share.

> Thank you for this lively report on the impressive event in Kobe.
> Engaged in medical translation as a profession, we are after the same rainbow’s end. Best regards.

2017/05/18 (Thu) 16:59 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment