思いがけない素晴らしい出会い vol.1
実はここしばらく人との別れなど結構いろいろな出来事が重なって、気分がすっきりしないというかちょっとふさぎ込んだ気持ちの日々が続いてクサクサしていた。そんな中でのある日買い物帰りにふと、久しぶりに家から近くのブロカントを売っているお店にでも寄って気分転換するか、と思い立った。
古い大きな木製のドアの奥に続く、オウムや鳥もいる大きな中庭まである広い店内のスペースには、家具や時計、シャンデリア、絵や食器など、あらゆるものが所狭しと置かれている。品物自体は一部の高級アンティークやブロカントを除き、稀~に好みの掘り出し物を見つける程度で、ニースにあるエマウスやブロカント市の方が規模も大きく家具を含めて断然良い品が置いてあり値段もお得なので本気モードの時はそちらへ行くのだが、それでも古いものを見るのは楽しくて家から近いこのお店へは時々足を運ぶ。
いつもはお客もほとんどおらず、やってるんだかやってないんだかわからないような薄暗くかび臭いお店の中で、無口なおじいさんが一人黙々と修理作業をしているような感じだが、その日はNYから来たというアメリカ人観光客らがワイワイ大きな声で話しながら買い物をしており、さらにいつもは見かけない店主のおじいさんの娘夫婦もいて、いつもより忙しそうだった。
私は早速この日のお目当てだった食器類が置いてある部屋に行ってみたが、電気がついておらず真っ暗。そのため別の部屋にいた娘婿夫婦に声をかけあちらに見たいものがあると伝えると、アメリカ人旅行客の一人の会計を終わらせてから行くから待っているよういわれたので、了解して部屋に向かった。
その途中、この地域では珍しい日系と思われるアジア系の男性がいてふと目が合ったのだが、日に焼けて非常に旅慣れた雰囲気は日本からの観光客とは思えず、日系三世くらいのアメリカ人か欧州他地域の日系永住組の方と思い、フランス語で軽く挨拶をしてその場を離れ、元の食器の部屋に向かった。
そして少しした後、この日の収穫である手書きの花の小鉢と、天使が彫刻されたチーズナイフを手に会計に行く途中で、先ほどの男性とまたすれ違い「日本人の方ですか?」と声をかけられた。
おお!日本語がちゃんと話せる日系の方だったのかと、人と打ち解けるのに時間がかかる私は少し緊張しながら「そうです」とお答えしてから、少しお話をさせていただくと、日本から毎年ご夫婦でスペインに長期滞在しており、今回は去年偶然立ち寄ったこのMentonに初めて一ヶ月の予定で滞在しているということだった。
実は私も月島さんも、どこか海外生活が性に合ってる部分があり、将来リタイア後は日本に拠点を持ちながら、査証的にギリギリの半年くらい海外で暮らせたらいいねぇと日頃から夢物語を話をしていたのだった。そんなわけだから、今回こうしてリタイア後に実際海外で数か月生活しているという方に出会い、★Σ(・ω・)ピキーンっと何かぐっときてしまったのだ。
その方はブログを書かれているということで、お名前とブログ名を教えていただき、その日はお別れした。その日の夜は、帰宅後に楽しみにしていたサッカー観戦に必死な月島さんに、とても興味深い出会いがあったこと、しかし永福がいかにロクに気の利いた会話ができなかったかという自己嫌悪を延々と話して聞かせ、嫌がられていた。
そして早速ブログを拝見させていただくと、まずMentonの町についても、美術史を勉強された方なのか精通されているようで、私たちが2年も暮らしていながら知らずにいて思わず反省してしまうような鋭い観察眼と好奇心で、とても詳細な情報まで地元の人に聞いたり、ご自身で調査されたり、書かれている内容がとにかく濃い!ためになる!見ている視点も何か素晴らしく、私のダラダラ防忘録とは訳が違う・・・( ゚Д゚)これはタダモノではないっ(笑)!
そしてもう一点、私のテンションが一気に上昇したのが、私たち夫婦が夢見るリタイア後の海外&日本半々生活を実現されているだけではなく、私個人がずっと憧れながらできていないことのひとつである「欧州の街並みを旅の合間にスケッチして絵に残す」までズバリ実践されていることを知ったとき。
オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!
両親も叔父も美大卒という美術には縁のある環境に生まれ育ち、自身も絵やモノづくりが大好きで中学では部員数たった2人の美術部に入部。社会人になった後もやっぱり絵は好きで、下手ながらも絵画教室に通っていた。そんな中で、旅先の風景だとかをさらっとスケッチして絵に残すということに長年憧れながらも、全くそれが出来ずにいることも相まって、ブログでなんとも描き慣れた的確な線で、フランスの趣ある町を真摯に捉えて描く本当に素敵な絵を拝見した直後から永福のテンションはすっかりマックスに。
私はシャイ&人見知りでたいていの場合人と打ち解けるのに長い時間を要する反面、実はこうと決めたことや興味を持ったことに対してはかなり猪突猛進で行動的な部分も持ち合わせている。
そのため、ブログを拝見してからというもの、ぜひともこのご夫婦に旅とスペインでの生活の話と、絵の話も伺いたい!!という思いが人見知りを蹴負かしキーーーック!!o(゚ロ゚┌--------θ☆ノ゚ロ゚)ノ、結果圧勝。
私に邪魔されまくりながらもサッカー観戦をなんとか終えた可哀そうな月島さんに、「いきなり見ず知らずの人間からごはん招待されてもかなりびっくりかもしれないし、実際会ってみないとまだどんな方々かわからないけど、夕食にわが家にご招待してみたいと思うんだけど、どうかな?」とさらに邪魔して相談すると、良いんじゃない?お誘いしてみれば、と。
そういうわけで、かなり思い切ってお誘いしてみると、ありがたくオッケーのお返事をいただき、めでたくわが家にご招待することになったのだった( *´艸`)
自分で誘っておきながらも、思いがけない展開にちょっと緊張&不安の入り混じった気持ちにもなりつつ、わくわくしていた永福であった。
ここまで長くなってしまったので、ディナーのお話はまた次回へつづく。
以下は毎週月曜ニースで開かれる骨董品市。
こちら先日ゲットした戦利品。
リモージュの古いお皿。御取り皿としても使いやすい小さなお皿とボールの9枚セットで40€とかなり安くしてくれた♪
- 関連記事
-
- Mentonのミシュラン2つ星Mirazurで結婚記念日ランチ (2020/05/01)
- 思いがけない素晴らしい出会い vol.1 (2017/09/26)
- Parc des Oliviersでピクニック (2017/05/20)