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永福の日々是好日

米国から南仏コートダジュール、そして日本定住。日々思ったこと感じたことをありのままに。

子ども用英語スラング訳出の難しさSufferin Sccotashes!

これまで主に製薬と臨床心理学分野の翻訳をしてきた永福ですが、
夏から新たに以前からずっと興味があった
映像翻訳への道を歩み始めました。
私が今やってるのは、字幕翻訳ではなく吹替翻訳です。

昔から映画は大好きで、小学校時代から映画好きな父と
当時はレンタルビデオ屋さんだったわけですが
そこに毎週末の様に出かけては
アメリカの映画を借りて見ていました。

当時のハリウッド映画で子どもも見れる
人気映画は見尽くす勢いで見ていたので、
当時現地アメリカで暮らしていたかのような
ちょっとした生活文化の知識や感覚があったのは
後のアメリカ生活で図らずも役立つことになり
映画好きな父に感謝です。

今回私たちの映像翻訳クラスで題材にしているのは
海を題材にしたアニメなんですが、何が難しいって、
子どもが使う独特の言葉の意味とニュアンス理解とその訳出です。

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日本の子ども達にも言えることですが、
敢えてのへんてこな言葉遣い、造語、感覚的で意味をなさない言葉、
幼児用語、子ども向けに変えた言い回し、等々ありますよね。

うんちだのオシッコだのおしりだのも大好きだし、
擬音語をくっつけてオリジナルな
ただリズムが良いというだけの言葉を作ったり。

まあいろいろな国で放送していることもあって
このアニメではそこまで支離滅裂な造語は登場しませんが、
そういうのを英語圏で英語で子育て経験したこともない私が
ニュアンスを理解するのには
大人の言葉とは比較にならない難しさと闘いがあります。

英語圏のママさんたちが作った子ども用のcurse phrase集や
子どもがよく使う言葉など色々多用して
それでも分からないと、昔子どものいる職場にいた
アメリカ人幼馴染に聞いたりしていますが、
その友人でも?なことは結構あるのが子ども用語の難解さ(笑)。

だって考えてみれば、日本語でも子ども達の言ってることとか
使ってる言葉って時々、何それ?(笑)
なんかよく意味が分からないけどまあこんな感じのことが言いたいのかな?
とかいうことって結構ありませんか?
あれが更に英語なので医薬とは別の次元で難しい(笑)

大人用のようなスラング辞典もないですし。

今回私がナニコレ?と思った言い回しのひとつが、
Suffering Seahorses!」です。
主人公が海藻にからまって身動きできなくなった時に言うセリフです。

まあ、前後関係や状況から、イラっとしてるんだろうなという感じは分かるのですが、
意訳をするにしても、あくまで原則的な意味を理解をして訳出をせねばならない。

ということで色々とリサーチを重ねました。
まず、最初は絡まった状態がseahorses(タツノオトシゴ)の
独特の縦泳ぎ姿勢に似ていることから、
この状態のことを言っているのではないかと考えました。

しかし、どうもしっくりこないし、
sufferinというところがひっかかる。
これは特定の言い回しをもじってた造語ではないか。
これ、当たりでした、というかそもそも造語なので
究極脚本家に聞く以外正解は不明とも言えますが、
恐らく一番濃厚な説だと思います。

まず、元のcurseフレーズはsuffering saviourだということに気づくと、
ここから、アメリカのクラシックアニメLooney Tunesの
Sylvester the catが言って有名になった台詞"suffering sccotash"に行きつきます。
https://www.youtube.com/watch?v=U9pR_i9jOtk

今回は海を舞台にしたアニメなので、
sufferinの後はタツノオトシゴseahorsesとしたわけでした。

つまりsuffering saviour→sufferin' sccotashが有名に→sufferin' seahorses

となったというわけです。
ちなみに、sufferingの後に続く名詞は色々変わるようです。
特に子ども用のcursingフレーズとしては
恐らく英語を使うみなさんはご存知と思いますが
それはそれは様々なパターン&造語が使われます。

今回出てきたもう一つのスラングで面白かったのが、
fishsticks!

これはまあfishy pun(魚っぽいダジャレや言葉遊び)なことは
恐らく誰もが見てぱっと分かるし、前後関係からなんとなく意味も分かる、
けれども、いざ訳すとなるとちゃんと知りたい!

これは単語単独として考えるとfish sticks!が正しいと思うんですよね。
アメリカ人の子なら一度は学校のカフェテリアで食べたことがある
冷凍の魚フライであるfish sticksを使った造語なわけです。

ただ、fiddlesticksという動揺やイライラ等を表現する
curse wordが元にしているのではないか?と思うので、
そのためにあえてfish sticks→fishsticksとスペースを無くして
よりfiddlesticksに近づけているんだという私の結論です。

ちなみにfiddlesticks=damn等のちょっとマイルドなswearing言葉です。

ということで、お堅い言葉ならばいかようにも調べることが出来ますが、
スラングや造語のニュアンス、その中でも子ども用造語は
本当に理解して訳出しようとすると、
アメリカの生活文化や歴史をひも解くことにもつながり、
面白い反面、難しさが伴うと再認識した課題でした。

そしてこの子ども用アニメ課題、まだまだ続くようなので
やりがいがありすぎて困るな~(;^ω^)


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